2010年03月20日
「サクラを取り逃がす」といふことについて
第2戦はもっとサクラマスの諸君が太ってからと思っていたが
S川師匠の2本を見れば、週末を家で撮り溜めした番組鑑賞で
やり過ごすというわけにもいかなくなる。
中国から近づいてくるタチの悪い低気圧が発達しそうで、風が
心配だったが、案の定、予報より随分と前倒しで荒れ始めた。
朝から疾風は南~西へころころと風向きを変えながら吹きすさぶ。
気温は6度ほどはあるが、風で寒く感じる。
何はともあれ、このところポツポツ出ているわけだが、ワカサギの
接岸も先の新月辺りでピーク入りしている感じで、状況はどない
なのか?
まずはレッドコア受難の時期に入っていることは痛感。現に今日は
10時前後から14:30上がりまでノーピクを喰らった。
放流マスは少し浅めに布陣しているようだが、遠洋においてはあまり
出会うこともなく、特に5色、6色となると、せいぜいスロー気味で
ヒメマスが掛かる程度。
ようは、釣れているサクラも起死回生の一発!的な展開のようだ。
さて、このところ実績の出ている(らしい)東側だが、今日のような
天候では風下でとても攻めきれない。今日はガラガラ。朝のうち
百貫まで西岸を進みヒメ1のみだったので、ガラ空きの東へ渡る。
百貫から箱根園に渡る横断路(最深部コース)も一応操業。
5色T-SHELL夜光、7色アワビ。3.2キロ。
横断も中間点を過ぎたころの出来事。
魚探にはチラホラヒメの群れが出始める。
こんなとここでサクラ釣れるわけないか。
と何気なーく夜光を付けた右舷スティルブレイカーを見るともなく
視界に入れる。T師匠こだわりカラーの美しいロッドがひしゃげる
ように引き込まれている!なぜかドラグが出て行かない。
レッドコアラインの特性上、ラインの摩擦でブレーキがかかること
がある。「やべー!!」と思ったが、ロッドを持った時点では軽く
なっていた。
こういうケース、残念だし、悔しいけど、よくあること。それほど
引きづらない。ただ、これが1日に1回のアタリだったりと辛いこと
もあるのだが。
「よし、次、次だ!いるぞ。釣れる。」
この時、頭の中には先日M田さんが成し遂げた伝説の「その日リベンジ」
がイメージされていた。
しかし、サクラをバラスという事の本質はそんな生易しいものではなかった。
その後、東岸沖合いを重点的にやり、初期にヒットが多かった樹木園近辺、
立岩と攻めるがピクリともせず。難行苦行が始まる。
疾風が烈風に変わる寸前の9時ごろ事件は起きた。
その前に、サクラの疑いがある反応は各地でポツポツ見られる。朝のうちは。
今回はワカサギ接岸期でありながら、沖合いをさ迷っている個体と鉢合わせ
する作戦(それが可能なほど個体数が多く、行動パターンも多様なのだ)。
百貫などは12mに巨大なシルエット、その他7~10mあたりに出没。
今日は風裏となった西岸が激コミだった。ヒメの反応が多く、サクラらしき
反応は少ないのだが、まあきっとどこにでも魚はいる状況。
長い沈黙の末に6色夜光(再び、というか三度!)に激アタリ。
水深30mライン。速度3.2キロ。ロッド保持。
スティルブレイカーならでは、いかにもサクラな手ごたえが明確に伝わって
くる。「よっしゃー!リベンジ成功!!」
4色あたりで綱引き状態となり巻かせてもらえない。
が、岬の向こうから他船が目の前を横切っていく。沖へ出られない。
風裏から強風下へ出ることもあり、細かな操船で回避は困難と判断し
ニュートラルに。
おかげでサクサクとリーダーまで上がって銀色の長い魚体が浮上してくる。
サクラである。スリムだが長さは50絡み(ということに)。水面から
突き出たヒレは刺々しいほど。
ボート際に寄せてくると、温存していた体力を駆使して猛烈なヘッドシェイク
でルアーを振り外そうとする。それをボートの周りを泳ぎながらそれを
続けられる。それを凌げば疲れてネットインとなるのだが、こいつは
どこまででもヘッドシェイクを続ける。トローラーを喜ばせるあの手ごたえ
は、このサクラ独特のルアーを吹っ飛ばそうとする行為によるもの。
今は味わいたくない手ごたえだ。
いい加減にしてくれー、と心配になってきたころ、船の前側に出て横向きで
首を振られ、ポイッと船上にルアーだけが戻ってきた。
えっ、と時間が止まったが、魚の方は止まっていない。さっさと元気に
潜っていった。成すすべもない完敗。クラッチ切りの判断以外にはミス
はなかったと思うのだが・・・。
「サクラばらした」というのは良く聞く話だが、サクラ確定後にバラす
というこの悪夢は、とてつもないショックで、本当に放心状態となる。
その後、本当の意味での「その日リベンジ」を目指して昼休みもとらず
操業を続けたが、まったく報われることはなかった。
その日リベンジのためには、一度休憩をとって、心身の状態を整えて
臨むことが重要であるということが判明した。
だが、現時点では沖に出ている個体が少なく、今日のように場荒れして
しまうとリベンジは相当に困難な作業であると痛感した。
サクラを初めて釣るまでに苦節4シーズン以上の風雪を耐え忍んだ自分
だが、初めて掛けたサクラをバラさないで本当に良かったと今更ながら
思う。人生初でなくとも、今シーズン初でも十分に凹むだろう。
終了後、S川師匠に昨日の快挙の祝辞を申し上げたが、師も「とりあえず
1本獲れていると気持ちが違うね」とのことであった。
ということでサクラバラシ、悪しきことのように言ってはいるが、この
ゲームを熱くさせてくれる強烈なスパイスだろう。利き過ぎには注意が
必要。また、このスパイラルにはまったりしたら立ち直れるだろうか、
と素朴に心配したりもする。
「サクラばらした」はそう、聞き流してはいけないレベルの大事なのだ。
後日、絶対にリベンジする。いくらブログに書きたてたところで何ら
慰めになるわけでもないし。
S川師匠の2本を見れば、週末を家で撮り溜めした番組鑑賞で
やり過ごすというわけにもいかなくなる。
中国から近づいてくるタチの悪い低気圧が発達しそうで、風が
心配だったが、案の定、予報より随分と前倒しで荒れ始めた。
朝から疾風は南~西へころころと風向きを変えながら吹きすさぶ。
気温は6度ほどはあるが、風で寒く感じる。
何はともあれ、このところポツポツ出ているわけだが、ワカサギの
接岸も先の新月辺りでピーク入りしている感じで、状況はどない
なのか?
まずはレッドコア受難の時期に入っていることは痛感。現に今日は
10時前後から14:30上がりまでノーピクを喰らった。
放流マスは少し浅めに布陣しているようだが、遠洋においてはあまり
出会うこともなく、特に5色、6色となると、せいぜいスロー気味で
ヒメマスが掛かる程度。
ようは、釣れているサクラも起死回生の一発!的な展開のようだ。
さて、このところ実績の出ている(らしい)東側だが、今日のような
天候では風下でとても攻めきれない。今日はガラガラ。朝のうち
百貫まで西岸を進みヒメ1のみだったので、ガラ空きの東へ渡る。
百貫から箱根園に渡る横断路(最深部コース)も一応操業。
5色T-SHELL夜光、7色アワビ。3.2キロ。
横断も中間点を過ぎたころの出来事。
魚探にはチラホラヒメの群れが出始める。
こんなとここでサクラ釣れるわけないか。
と何気なーく夜光を付けた右舷スティルブレイカーを見るともなく
視界に入れる。T師匠こだわりカラーの美しいロッドがひしゃげる
ように引き込まれている!なぜかドラグが出て行かない。
レッドコアラインの特性上、ラインの摩擦でブレーキがかかること
がある。「やべー!!」と思ったが、ロッドを持った時点では軽く
なっていた。
こういうケース、残念だし、悔しいけど、よくあること。それほど
引きづらない。ただ、これが1日に1回のアタリだったりと辛いこと
もあるのだが。
「よし、次、次だ!いるぞ。釣れる。」
この時、頭の中には先日M田さんが成し遂げた伝説の「その日リベンジ」
がイメージされていた。
しかし、サクラをバラスという事の本質はそんな生易しいものではなかった。
その後、東岸沖合いを重点的にやり、初期にヒットが多かった樹木園近辺、
立岩と攻めるがピクリともせず。難行苦行が始まる。
疾風が烈風に変わる寸前の9時ごろ事件は起きた。
その前に、サクラの疑いがある反応は各地でポツポツ見られる。朝のうちは。
今回はワカサギ接岸期でありながら、沖合いをさ迷っている個体と鉢合わせ
する作戦(それが可能なほど個体数が多く、行動パターンも多様なのだ)。
百貫などは12mに巨大なシルエット、その他7~10mあたりに出没。
今日は風裏となった西岸が激コミだった。ヒメの反応が多く、サクラらしき
反応は少ないのだが、まあきっとどこにでも魚はいる状況。
長い沈黙の末に6色夜光(再び、というか三度!)に激アタリ。
水深30mライン。速度3.2キロ。ロッド保持。
スティルブレイカーならでは、いかにもサクラな手ごたえが明確に伝わって
くる。「よっしゃー!リベンジ成功!!」
4色あたりで綱引き状態となり巻かせてもらえない。
が、岬の向こうから他船が目の前を横切っていく。沖へ出られない。
風裏から強風下へ出ることもあり、細かな操船で回避は困難と判断し
ニュートラルに。
おかげでサクサクとリーダーまで上がって銀色の長い魚体が浮上してくる。
サクラである。スリムだが長さは50絡み(ということに)。水面から
突き出たヒレは刺々しいほど。
ボート際に寄せてくると、温存していた体力を駆使して猛烈なヘッドシェイク
でルアーを振り外そうとする。それをボートの周りを泳ぎながらそれを
続けられる。それを凌げば疲れてネットインとなるのだが、こいつは
どこまででもヘッドシェイクを続ける。トローラーを喜ばせるあの手ごたえ
は、このサクラ独特のルアーを吹っ飛ばそうとする行為によるもの。
今は味わいたくない手ごたえだ。
いい加減にしてくれー、と心配になってきたころ、船の前側に出て横向きで
首を振られ、ポイッと船上にルアーだけが戻ってきた。
えっ、と時間が止まったが、魚の方は止まっていない。さっさと元気に
潜っていった。成すすべもない完敗。クラッチ切りの判断以外にはミス
はなかったと思うのだが・・・。
「サクラばらした」というのは良く聞く話だが、サクラ確定後にバラす
というこの悪夢は、とてつもないショックで、本当に放心状態となる。
その後、本当の意味での「その日リベンジ」を目指して昼休みもとらず
操業を続けたが、まったく報われることはなかった。
その日リベンジのためには、一度休憩をとって、心身の状態を整えて
臨むことが重要であるということが判明した。
だが、現時点では沖に出ている個体が少なく、今日のように場荒れして
しまうとリベンジは相当に困難な作業であると痛感した。
サクラを初めて釣るまでに苦節4シーズン以上の風雪を耐え忍んだ自分
だが、初めて掛けたサクラをバラさないで本当に良かったと今更ながら
思う。人生初でなくとも、今シーズン初でも十分に凹むだろう。
終了後、S川師匠に昨日の快挙の祝辞を申し上げたが、師も「とりあえず
1本獲れていると気持ちが違うね」とのことであった。
ということでサクラバラシ、悪しきことのように言ってはいるが、この
ゲームを熱くさせてくれる強烈なスパイスだろう。利き過ぎには注意が
必要。また、このスパイラルにはまったりしたら立ち直れるだろうか、
と素朴に心配したりもする。
「サクラばらした」はそう、聞き流してはいけないレベルの大事なのだ。
後日、絶対にリベンジする。いくらブログに書きたてたところで何ら
慰めになるわけでもないし。
Posted by GoFishing! at 20:07│Comments(2)
│芦ノ湖
この記事へのコメント
昨日はお疲れ様です。週末ごとに強風と勘弁して頂きたいですね!バラシは残念ではありましたが、結局のところそのサクラとは縁の無かっただけのことだと思います。取れるサクラはいくらミスしたって素晴らしく掛かり所が良ければ取れるもの!全力を尽くしてバレテしまうものはどうにもならないですよ!と、言っても悔しいものは悔しいですよね!この悔しさを解消するにはやはりもう一度サクラを掛けるしかないのですが、その時は「絶対ランディングする!」と強い気持ちで対応してください。無理をしろ!と言っているのではなく、バラした後はどうしても慎重に成り過ぎる方が多いので、それはそれで良くないこともあるのです。掛所が良く、いつも通りにやれば必ず取れる魚ですから、次回サクラの姿を確認したときは物怖じせずに対応してくださいね!
Posted by T・f at 2010年03月21日 08:48
師匠、激励ありがとうございます!
確かに、そんな心境でないとサクラハンターにはなれませんね。
平常心で普通どおりに行きたいですね。まあ、毎回ヒヤヒヤなのは同じだし。それもこれも含めて熱いゲームということで。
次は獲りますよー、掛かれば(笑
それにしても、冷たい雨が続いて最悪ですねー。今週末は冷え込みという新たな悪条件との戦いでしょうか。この間にサクラ達に太ってもらいましょう。
確かに、そんな心境でないとサクラハンターにはなれませんね。
平常心で普通どおりに行きたいですね。まあ、毎回ヒヤヒヤなのは同じだし。それもこれも含めて熱いゲームということで。
次は獲りますよー、掛かれば(笑
それにしても、冷たい雨が続いて最悪ですねー。今週末は冷え込みという新たな悪条件との戦いでしょうか。この間にサクラ達に太ってもらいましょう。
Posted by GoFishing!
at 2010年03月25日 23:58

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